2013年4月25日木曜日

ハロゲートのホテルで 働く

今回は、私の職場について紹介していきます。
私は現在、Studley Hotel というホテルで働いています。

このホテルは、2001年に開業した4つ星ホテルで、アジア系イギリス人のオーナーの元、アジアの雰囲気を取り入れた部屋とアジア料理を扱うレストランが話題のホテルです。


ホテルは、街のシンボルであるPump Room MuseumやConference Centreなどの主要施設から徒歩で数分という場所にあり、とてもアクセスが良いです。
バーには、Black sheep などのヨークシャーならではのお酒のほかに、Tiger(シンガポール)・Singa(タイ)・Chintao(中国)などのアジアのビールもそろっており、さらに熱燗まで飲むことができます。

このホテルの一番の売りは、Orchaid restaurant です。
このレストランでは、元ミシュランレストランのヘッドシェフを中心として、タイ・ベトナム・中国・マレーシア・シンガポール・日本など様々なアジア料理を提供しています。

このレストランはハロゲートだけでなく、ヨークシャー地方やイングランド北部で多くの賞を受賞するなど、イギリス各地からその味を求めてお客さんが集まってきます。

それと同時に、地元の住民からも愛され、数多くの常連客が毎週のように訪れてきます。
中には、決まった日時に毎週欠かさず訪れる常連さんもいるくらいです。
地元での評判はとてもよく、街でもトップレベルのレストランとして認識されています。
ハロゲートにいらっしゃる際はぜひ訪れてみてほしいレストランです。
イギリスの文化とアジアの料理がミックスされたユニークな空間で、とても特別な体験をしてみませんか。

ここからは私情になります。
ホテルのスタッフはインターナショナルで、イギリス人のほか東欧人やスペイン人、中国・タイ人などのアジア人まで数多くの国籍の人が働いています。
日本人は私一人で、新日本メニューの試食やアイデアの提案などを任されることもあります。
ハロゲートはロンドンの大都市と比べて日本人がかなり少なく、街で日本人はほぼ見ないし、お客さんとして日本人を見たこともほとんどありません。

そのためかどうかはわからないが、「日本」はお客さんからとても人気があります。
誰も日本人が働いていると思わないので、私が国籍を聞かれて「日本」と答えるとほぼ全員が「Really????」とかなり驚くし、握手を求められることも少なくありません。明らかにほかの国とは反応が違います。
日本人を初めて見たという人も中にはいるくらいです。

「日本人の若者がこんな田舎で何してるの?」
これが一番多い質問です。
彼らにとって日本は、世界トップの経済とハイテク、高度なインフラを持つお金持ちの国。
また同時に侍や忍者、寿司、神道や武道などの独特の文化や精神風土を持ち、礼儀正しく勤勉な国として、かなり高く評価をしています。
(もちろん捕鯨など理解できない部分も多いともいうが)
ハロゲートの街にあふれる、日本車やカメラなどの日本メーカーの普及度を見れば彼らの反応もうなずけます。

日本についてお客さんに紹介をする、もしくは質問に答えたり意見を交わす、その時間がこのホテルで働く中で一番有意義な時間かもしれません。
唯一の日本人である以上、自分が発言したことがそのまま日本のイメージと直結するのでかなり緊張感を持つようにしています。
そういった会話を通して、日本に対する自分の考え方を見つめなおしたことも一度や二度ではありません。


唯一の日本人として働く中で、文化の違いや言葉の壁によって大変な思いをすることは数多くあるし、常に孤独感もあります。
働く中でのルールや常識、考え方は日本とかなり異なります。こちらでは、大まかなルールにのっとって、あとの細かい部分は個人のやり方に任せるというスタイルです。
なので、誰かの指示をを待つのではなく、自分で考えながら行動していく積極性と考える力がかなり重要になってきます。

そういった日本との違いを一つ一つ乗り越えながら、またいろいろなことを考え感じながら働くことで、日本とイギリスのことをより深く知ることができ、とても有意義な時間を過ごしています。




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