2013年9月2日月曜日

イギリスで野球??


イギリスのスポーツと言えばやっぱりサッカー、ラグビー、テニスなどが有名ですが、野球もひそかにプレーされているということはあまり知られていません。

イギリスにはちゃんとした野球連盟が存在し、リーグもプロレベルからアマチュアまで整備されています。
British Baseball Federation

ちなみに数十年前には、野球ブームも存在したそうです。

前回のWBCの予選にもイギリスは参加しています。

 


ところで、イギリスと言えばクリケットが有名です。このスポーツは日本ではなじみが薄いですが実は世界中でプレーされていて、野球のもとになったとも言われるほど、野球と似ている面も多くあります。


違いは、クリケットと野球では攻撃と守備が逆であるということです。

(クリケットでは、ボールを持っているチームが攻撃側)

 

クリケットは一つの対戦で5日間必死に戦って、引き分け決着という事が大いに起こり得るな驚くべきスポーツだというのが僕の印象です。

 

イギリスの子供たちが幼い時に学校でプレーするのがRounders(ラウンダーズ) というスポーツです。


これは、クリケットより野球に近いように思えます。


野球を知らないイギリス人に野球のことを説明すると、よく「ラウンダーズ?」という問いが返ってきます。


 

野球文化が急速に広まり力をつけているオランダ・イタリア・ドイツなどと比べて、国自体の実力はまだまだ発展途上ですが、野球を広めようと活動をしている人々がたくさんいることは確かです。

そのことを、自分自身のHarrogate Tigers での経験から学びました。

 

僕はこのチームに5月から所属していて、イギリスでの野球を楽しんでいます。
Harrogate Tigers ホームページ
  

タイガースの所属する、AAノースイングランドリーグには7つのチームがあり、4月から8月までシーズンを戦います。


僕自身もチームと一緒に、Manchester, Hull, Newcastle などいろんな場所に遠征しました。
 


 

試合後定番のパブでの一杯は、至福の時間でした。

 


チームのメンバーにはイギリス人とアメリカ人の他に、カナダ人とイタリア人もいます。

日本人は現在僕一人ですが、一時帰国しているリーズ大学の学生が一人と、ハロゲートに語学留学に来ていた大学の後輩も一時期一緒にプレーしていました。

 
僕自身を含め、日本人3人はみな野球経験者だったのでチームメイトはみな、日本人=野球上手というイメージを持っています。

 


監督のデイビットはとても熱心な人で、月に一回市民に野球のこと知ってもらおうと野球大会を開いたり、地元のラジオや新聞にチームの宣伝やスポンサーの要望をしたりと、イギリスでの野球の普及にかなり尽力しています。
 


 

 
そんなタイガースはリーグ戦の結果2位に入り、昨日プレーオフを戦いました。

 

このプレーオフに勝てば、来週末ロンドンで南部チームとのイングランドナンバーワンをかけた決勝トーナメントに進むことができます。

 

僕自身はロンドン遠征に帯同することができないので、この試合がこのチームでの最終試合、イギリスでの最後の「野球」になります。

 

相手は一つ上のレベルのリーグAAAのチーム、Leicester BlueSoxです。

 

こちらでは日本のような、野球専用の球場がないので、フェンスの設置、バックネットの設営などの準備をすべて自分たちで行います。


 


露店も設置され、お祭りのような雰囲気です。

 


ホットドックやハンバーガーのいい匂いに誘われて、多くの人が集まってきます。


 

こうやってどんどん野球がイギリスに広まっていくことをデイビットは夢見ているはずです。

 


僕は3番ピッチャーで出場します。

いよいよ試合開始!!


 

序盤は緊張もあってエラーが目立ち、12と相手にリードを許します。

 


Shake it off !」切り替えろとデイビットの声が響きます。

するとその後打線に火がついて52

 

 

その後も着実に点を重ね72112とリードを広げます。


 

僕のピッチングも周りの雰囲気に押されて、なんとなくいい感じです。


 

結局終わってみれば1427回コールドという大勝。

10点差以上は7回で終了という特別ルール)

 

3時間以上もの時間をかけてHarrogateまでやってきた格上のチームを打ち負かしました。

なんだか少しかわいそうな気もするけど・・・

 

僕自身も711奪三振完投、2点タイムリーヒットに全打席出塁という最後にふさわしい成績が残せました。


 

タイガースのメンバーたちは一つ一つのプレーに対してみなが心から祝福したり、フォローをしていて、日本でやっていた野球より、野球そのものの楽しさ、チームで戦う事のおもしろさを感じることができました。

 


これが彼らと野球をするのが最後だと思うと本当に言葉にならないくらいさみしくて、みんなにお別れのあいさつをしてグラウンドを後にする時は、何とも言えない感謝の気持ちと惜しみの気持ちが交錯していました。

 

今までのイギリス滞在のなかで、最も心から楽しむことができた時間でした。

 

ガンバレTigers、ガンバレDavid.

 


このブログを読んでくれた方たちの中から、Tigersを支える次の日本人プレイヤーがでてくれることを願っています。

 追記:こちらのホームページから結果や成績等がご覧になれます。
Masa Koshien Stats

 

2 件のコメント:

  1. このコメントは投稿者によって削除されました。

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  2. はじめまして。
    イギリスの野球に興味がありコメントさせてもらいました。
    働いているスタッフも多いのでしょうか。
    よろしくお願いします。

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