その大きな理由として新年のカウントダウンとボンファイヤーナイト、この二つが挙げられます。
特にイギリスを象徴するお祭りが、このボンファイヤーナイト。
日本では満開の桜が始まりの季節の象徴ですが、学校が9月に始まるイギリスでは枯葉の匂いと
ボンファイヤーナイトが新たな生活の始まりを思い出させると、
イギリス人の友人が言っていました。
(彼女は敬虔なキリスト教徒のため、教義に合わないハロウィーンは祝いません。)
この催しの起源はGuy Fawksという人物に発します。
彼は、1605年の11月5日に国会に爆薬を大量に仕掛け(約2トン)、国王の暗殺計画を立てたグループの実行犯でしたが、その計画は失敗し、Guyを含むそのグループ全員は反逆罪で処刑されてしまいました。
国王はこのような反逆が二度と起きないように、11月5日にかがり火(ボンファイヤー)を焚いて、その中にGuyを模した人形を投げ入れるという行事を始めました。
それが期限となり、現在では全英中でボンファイヤーナイト(ガイフォークスナイト)が行われ、
イギリス史上最大のテロ未遂犯の失敗を祝っています。
このストーリーの概要を知りたい方はこちらをご覧ください。
400年の時を経て、イベントは多様化しましたが、どのイベントもボンファイヤーを焚いたのち、Guyの人形を投げ入れ、その後花火で締めるというのが定番のようです。
このようにイギリスの文化に深く浸透し、秋の風物詩となったボンファイヤーナイトですが、
その悪名高いGuy Fawksがヨークシャーの中心であるヨークで生まれ育ったことはあまり知られていません。
ということで今回はGuyの故郷ヨークで、一味違ったボンファイヤーナイトを体験してきました。
日本人にもお馴染みのヨークは、その豊かな歴史と美しい街並みから観光客が一年中絶えない
人気の町です。
街のシンボルであるヨークミンスターは、イギリス国教会の中でも2番目の地位を誇り、そのたたずまいは圧巻そのものです。
ハロゲートからヨークまでは、電車で40分。
ヨーク駅は、イギリスの中でも最も古い駅の一つで、隣接する鉄道博物館には、世界中から鉄道ファンが集まります。
そこには、日本人にとって懐かしい顔も。
駅を出たら、まずは街を散策、中心部にある中世の面影を残す小さな通り(シャンブル)を散歩します。
まるで、ハリーポッターの世界にいるかのような錯覚に陥ります。
その一角に、Guyの両親の旧家がひっそりとたたずんでいるのを見つけました。
ヨークとGuyにはやはり深い関係がありそうです。
シャンブルには様々な種類のお店が軒を連ねていて、ウィンドーショッピングにはもってこいです。
そんなお店たちを堪能しながらヨークミンスターを目指して歩いていると、
Guyの生家にたどり着きます。
その場所は現在Guy Fawks inn というホテルになっていて、バーやレストランが併設されています。私は、一階のバーでGuy Fawks に思いをはせることにしました。
Guy Fawks Inn
さすがにガイフォークスナイトの今日は、レストランは17時半から満席だそうで!
ちょっと待てよ・・・
Guy Fawksは凶悪な反逆犯だったはずだったのに、ヨークでは英雄のような扱いを受けているな。それが僕の純粋な印象でした。
バーでおいしいビールを楽しんだ後は、Guyが青春時代を過ごしたSt Peter`s school を訪れました。
そのたたずまいには、趣があります。
それもそのはず、この学校はなんと7世紀に創設され、1400年近くの歴史があるそうです。
イギリスの学校では普通、11月5日にボンファイヤーを焚くことが風習になっていますが、
この学校に通っていた友人によると、この学校ではボンファイヤーはやらないとのこと。
理由は、同校の生徒を侮辱するような行為はできないから、ということだそうです。
Guyゆかりの地を尋ねた後は、ついにタクシーでボンファイヤーナイトの会場に向かいます。
会場は、ヨーク市内中心部から車で15分のYork Maze.
York Maze
タクシーの運転手さんによると、このイベントがヨークのボンファイヤーで一番の規模を誇るとのこと。
ちなみにこの運転手さん、FacebookにGuyを賞賛する投稿をしたところ、スパムとして削除されたそうです。
Guy は権力に立ち向かった英雄だ!と彼は主張していました。
実際全英的にも、ヨーク出身の有名人の中では彼が一番の知名度を誇るでしょう。
Guy Fawks 凄し!
会場に着いたらまずはあったかいジャックポテトとMulled Wine(赤ワインをスパイスと一緒に温めたもの)で体を温めて、会場内を散策。
遊具やショー、劇など多様な催し物が行われていて、お祭りの雰囲気が盛り上げます。
メインステージでは、ミンスターモンスターというヨークのゆるキャラ?たちがカウントダウンを始めています。
そしてついに、ボンファイヤー点火!
ものすごい勢いで火が燃え広がり、熱気を感じます。
ちなみにこのボンファイヤーでもGuyの人形は燃やされず、代わりにイギリスの人気ドラマDoctor Whoの悪キャラが、そのドラマの50周年を記念して炎に呑まれていました(笑)
そうこうしているうちに今度は花火。
音楽のリズムに乗った花火が、夜空を彩ります。
気分は夏祭り・・・でも気温は3℃。
みんなの手には、かき氷の代わりにあったかいココア、文化の違いを感じました。
日本とは一味違った花火を楽しんだ後は、ライブミュージックの時間。
やはりロックの国イギリス、こんな田舎のおじさんバンドでも本当に上手い!
こんな50代を迎えたいな、と元気をくれるライブでした。
このようにイギリスのお祭りの代名詞、ボンファイヤーナイトを
歴史の街ヨークで存分に楽しんだ1日でした!
こんなユニークで歴史のあるイベントがイギリスにはあります。
みなさんもぜひ、歴史の街ヨークで一度体験してみてください。
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